事例
AB間で土地の売買契約が成立したが、買主Bが登記申請を放置している。Bに対して金銭債権を有するCが、将来の強制執行等に備えてBの登記請求権を代位行使し、AからBへの所有権移転登記を申請する場合。
申請情報
| 目的 | 所有権移転 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日売買 |
| 権利者 | (被代位者)住所 〇〇〇 B |
| 代位者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 C |
| 代位原因 | 令和〇年〇月〇日付金銭消費貸借契約に基づく債権の保全 |
| 義務者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 A |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報(AB間の売買契約書等) ・登記識別情報(Aのもの) ・印鑑証明書(Aのもの) ・住所証明情報(Bの住民票の写し等) ・代位原因を証する情報(金銭消費貸借契約書等) ・代理権限証明情報(A・Cからの委任状) |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金20万円 |
備考
債権者代位権による登記申請
・債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利(登記請求権等)を行使することができる。不動産の移転登記においては、代位者Cが申請人となり、被代位者Bの名義にする登記を求める形式となる。
( 民法第423条 )
・代位申請においては、申請情報に代位者の住所氏名および代位原因を明記しなければならない。
( 不動産登記法第59条 )
代位原因の表示と証する情報
・代位原因欄には、CがBに対して有する保全すべき債権(金銭債権等)の内容を具体的に記載する。
( 不動産登記規則第35条第1号 )
・添付情報として、この債権の存在を証明する資料(契約書、判決書等)を「代位原因を証する情報」として提供する。
( 不動産登記令第7条第1項第3号 )
登記識別情報の不発行
・代位申請によって登記が完了した場合、登記名義人となるB自身が申請人ではないため、登記識別情報は通知されない。また、代位者Cに対しても、本人ではないため通知されない。
( 不動産登記法第21条 )
・代わりに、BおよびCに対して「登記完了証」が送付される。将来Bが処分を行う際は、事前通知制度等を利用することになる。
添付情報の構成
・通常のAB間の登記原因証明情報のほか、義務者Aの登記識別情報および印鑑証明書を提供して申請の真意を証する。
( 不動産登記法第22条 )
・代位者Cおよび登記義務者Aが申請人となるため、CとAの委任状を添付する(Bの委任状は不要)。
課税標準金額
・所有権の移転登記における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)を基礎とする。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・課税標準金額は、上記価格から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
登録免許税の算出方法
・登録税別表1.1(2)ハ:不動産の価額 × 20/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
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関連条文
- 民法第423条(債権者代位権)
- 不動産登記法第21条(登記識別情報の通知)
- 不動産登記法第22条(登記識別情報の提供)
- 不動産登記法第59条(代位者による登記の申請)
- 不動産登記令第7条(登記原因証明情報の提供)
- 登録免許税法第10条(課税標準)