事例
土地の所有者Aが死亡した。相続人は妻B、子Cの2名である。抵当権者甲(代位者D)が、抵当権実行による競売の前提として、法定相続分通りに相続人B・Cに代位して相続登記を申請する場合。
申請情報
| 目的 | 所有権移転 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日相続 |
| 相続人 | (被相続人 A) (被代位者)住所 持分2分の1 B (被代位者)住所 持分2分の1 C |
| 代位者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 D |
| 代位原因 | 令和〇年〇月〇日設定の抵当権の実行による競売 |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報(Aの戸籍謄本等) ・住所証明情報(B・Cの住民票の写し等) ・代位原因証明情報(競売申立受理証明書等) ・代理権限証明情報(代位者Dからの委任状) |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金4万円 |
備考
債権者代位登記の根拠
・債権者は、自己の債権を保全するために、債務者に代わってその登記申請権を行使することができる。
( 民法第423条 )
・相続登記が未了の不動産に対して競売等を申し立てる場合、抵当権者等はあらかじめ代位によって相続登記を完了させ、債務者(相続人)の名義にする必要がある。
( 不動産登記法第59条 )
申請情報の構成
・相続人(被代位者)の氏名の前に「(被代位者)」を付記する。この登記により名義人となるのは相続人B・Cであり、代位者Dではない点に留意する。
・登記原因(相続)とは別に、「代位原因」を詳細に記載する。
代位原因証明情報の提供
・代位の権限を証するため、裁判所の競売申立受理証明書や、抵当権が設定されている登記記録(法務局による確認)など、代位の基礎となる事実を証する書面を添付する。
( 不動産登記令第7条第1項第3号 )
登記識別情報の通知に関する注意
・代位申請によって登記が完了した場合、登記名義人となる相続人(B・C)には登記識別情報は通知されない。また、代位者Dにも通知されないため、将来B・Cが自ら登記を行う際は、事前通知制度等の利用を要することになる。
( 不動産登記法第21条 )
課税標準金額
・所有権の移転登記における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)を基礎とする。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・課税標準金額は、上記価格から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
登録免許税の算出方法
・代位申請であっても、登記の原因が「相続」であるため、登録免許税法別表第一第一号(2)イの規定により、1000分の4(0.4%)の特例税率が適用される。
・登録税別表1.1(2)イ:不動産の価額 × 4/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
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