事例
被相続人Aが死亡し、相続人B及びCが法定相続分(各持分2分の1)による相続登記を完了した。その後、Cが自己の相続分をBに譲渡(売買または贈与)し、Bの単独所有とする場合の登記申請。
申請情報
| 目的 | C持分全部移転 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日相続分の売買(または贈与) |
| 権利者 | 住所 〇〇〇 持分2分の1 B |
| 義務者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 C |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報(相続分譲渡証書等) ・登記識別情報(Cが相続登記時に通知を受けたもの) ・印鑑証明書(Cのもの) ・住所証明情報(Bの住民票の写し等) ・代理権限証明情報(B・Cからの委任状) |
| 課税価格 | 金500万円 |
| 登録免許税 | 金10万円 |
備考
相続分の譲渡による登記の性質
・共同相続人は、遺産の分割前であれば自己の相続分を他の共同相続人や第三者に譲渡することができる。
( 民法第905条 )
・既に法定相続分での登記が完了している場合、登記手続上は「相続」ではなく、譲り渡した共有者の「持分全部移転」登記として申請する。
原因および日付の特定
・登記原因は「相続分の売買」または「相続分の贈与」等、実態の契約に則して記載する。
・日付は、相続分譲渡の合意(契約)が成立した日を記載する。
権利者Bの持分表示
・本申請によりBが取得する割合はCの全持分であるため、権利者欄には「持分2分の1 B」と記載する。
・既に有しているBの持分2分の1と、今回取得するCの持分2分の1が合算され、登記記録上はBの単独所有(1/1)として公示される。
登記識別情報の提供
・本申請は共同申請であるため、登記義務者Cが相続登記完了時に通知を受けた登記識別情報を提供して申請の真意を証する。あわせて、Cの実印に係る印鑑証明書の提供を要する。
( 不動産登記法第22条 )
課税標準金額
・所有権の移転登記(持分移転)における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)に移転する持分の割合を乗じて算出する。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・本事例では、不動産価格1,000万円 × 移転持分1/2 = 金500万円となり、1,000円未満を切り捨てた額が課税価格となる。
登録免許税の算出方法
・相続分の譲渡は、遺産分割による移転(1000分の4)とは異なり、契約に基づく権利移転として扱われるため、税率は原則として1000分の20(2%)が適用される。
・登録税別表1.1(2)ハ:不動産の価額 × 20/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
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