事例
AがBに対して有する金1,000万円の貸金債権を被担保債権として抵当権を設定する場合。この貸金債権は債権者Aの死亡により債権は消滅する旨の特約が設定されているとする。
申請情報
| 登記の目的 | 抵当権設定 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日金銭消費貸借 同日設定 |
| 債権額 | 金1,000万円 |
| 利息 | 年5%(365日日割計算) |
| 損害金 | 年10%(365日日割計算) |
| 特約 | 債権者が死亡した時は債権は消滅する |
| 債務者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 B |
| 権利者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 A |
| 義務者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 B |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報 ・登記識別情報 ・印鑑証明書 ・代理権限証明情報 |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金4万円 |
抵当権の登記事項
絶対的登記事項
・登記の目的
・登記原因及びその日付
・登記権利者の氏名又は名称及び住所
(不動産登記法第59条)
・債権額(一定の金額を目的としない債権の場合はその価格)
・債務者の氏名又は名称及び住所
・抵当権の目的(所有権以外を目的とする場合)
(不動産登記法第83条)
任意的登記事項
・利息の定め
・損害金の定め
・債権に付した条件
・債務の弁済期(支払時期)の定め
・抵当証券発行の定め
・民法第370条ただし書の定め(付加一体物の除外特約)
(不動産登記法第88条)
・権利消滅の定め
(不動産登記法第59条)
備考
債権消滅の特約(条件)
・被担保債権の効力の発生または消滅に関する条件があるときは、抵当権の登記事項となる。本事例のような「債権者の死亡による債権消滅」はこれに該当し、申請情報の項目名は実務慣習として「特約」と記載する。
(不動産登記法第88条第1項第3号)
・本特約は「債権の消滅」を目的とするものであり、不動産登記法第59条第5号に基づく「権利(抵当権)そのものの消滅の定め」とは法的根拠が峻別される点に留意する。
原因日付の記載
・被担保債権の発生原因とその日付、および抵当権設定契約の日付を併記する。両者が同日の場合は「同日設定」と略記可能である。
利息および損害金
・利息および損害金の定めは任意的登記事項であり、定めがある場合に提供する。
(不動産登記法第88条第1項第4号・第5号)
・無利息の定めをした場合には、その旨を明示して申請する必要がある。
(不動産登記規則第155条第1項)
義務者の印鑑証明書
・所有権の登記名義人が設定者(登記義務者)となるため、市区町村長または登記官が作成した印鑑証明書の添付を要する。
(不動産登記令第16条第2項)
課税標準金額
・課税標準金額は、被担保債権の債権額から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
(登録免許税法第10条)
登録免許税の算出方法
・登録税別表1.1(5):債権金額、極度金額または不動産工事費用の予算額×4/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、債権金額、極度金額または不動産工事費用の予算額は金1,000万円とする。
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関連条文
- 不動産登記法第83条(担保権の登記の登記事項)
- 不動産登記法第88条(抵当権の登記の登記事項)
- 不動産登記規則第155条(利息がない旨の登記等)
- 登録免許税法第10条(課税標準につき1,000円未満の端数切り捨て)
- 登録免許税法別表第一第一号(五)