事例
被相続人Aが死亡し、相続人は配偶者B、子C及びD(計3名)であった。遺産分割協議を行わず、法定相続分通りに、相続人の一人であるBが保存行為として相続人全員のために登記を申請する場合。
申請情報
| 目的 | 所有権移転 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日相続 |
| 相続人 | (被相続人 A) (申請人)住所 持分2分の1 B 住所 〇〇〇 持分4分の1 C 住所 〇〇〇 持分4分の1 D |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報(被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等) ・住所証明情報(相続人全員の住民票の写し等) ・代理権限証明情報(Bからの委任状) |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金4万円 |
備考
相続開始と登記原因
・相続は、被相続人の死亡によって開始する。
( 民法第882条 )
保存行為による単独申請
・各共有者は、他の共有者の同意を得ることなく単独で保存行為をすることができる。相続人の一人が全員のためにする相続登記は保存行為として認められるため、B単独での申請が可能である。
( 民法第252条第5項 )
・この場合、実際に申請書を作成・提出する相続人の氏名の前に「(申請人)」を冠記し、その他の相続人全員の氏名、住所及び法定相続分を併記する。
登記識別情報の通知に関する注意点
・登記識別情報は「申請人」に対してのみ通知される。本事例では、Bのみが申請人であるため、Bには登記識別情報が通知されるが、申請人となっていないCおよびDには通知されない点に注意を要する(将来、CやDが持分を処分する際に事前通知制度等が必要となる)。
添付情報の構成
・登記原因証明情報として、被相続人Aの出生から死亡までの連続した戸籍謄本等、および相続人全員の現在の戸籍謄本等を添付する(法定相続情報一覧図の写しにより代用可能)。
・申請人ではない相続人を含む全員分の住所証明情報(住民票の写し等)を添付しなければならない。
( 不動産登記規則第80条 )
課税標準金額
・所有権移転登記における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)を基礎とする。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・課税標準金額は、上記価格から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
登録免許税の算出方法
・登録税別表1.1(2)イ:不動産の価額 × 4/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
実印(印鑑)の準備はお済みですか?
💡 不動産の相続や名義変更には、市区町村に登録された「実印」が必要になる場面が多くあります。
大切な一生ものの手続きだからこそ、この機会に高品質な印鑑を新調しませんか?「はんこプレミアム」なら、オンライン限定の激安価格で即日出荷も可能です。
関連条文
- 民法第252条第5項(共有物の管理・保存行為)
- 民法第882条(相続開始の原因)
- 民法第900条(法定相続分)
- 不動産登記規則第80条(相続による登記の申請における住所証明情報の添付)
- 登録免許税法第10条(課税標準)