事例
Aが所有する不動産をBが時効により取得し、所有権をBへ移転させる場合の登記申請。
申請情報
| 目的 | 所有権移転 |
|---|---|
| 原因 | 令和〇年〇月〇日時効取得 |
| 権利者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 B |
| 義務者 | 住所 〇〇〇〇 氏名 A |
| 添付情報 | ・登記原因証明情報(時効取得を証する判決書や合意書等) ・登記識別情報(Aのもの) ・印鑑証明書(Aのもの) ・住所証明情報(Bの住民票の写し等) ・代理権限証明情報(A・Bからの委任状) |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金20万円 |
備考
時効取得の遡及効と原因日付
・時効取得の効力は占有を開始した時に遡る。そのため、登記原因の日付は「占有開始の日」を記載しなければならない。時効完成日や援用日ではない点に留意する。
( 民法第144条 )
・所有の意思をもって、平穏にかつ公然と他人の物を占有することが必要である。
( 民法第162条 )
登記の形式と原始取得
・時効取得は実体法上は「原始取得」であるが、不動産登記実務においては、前名義人Aから取得者Bへの「所有権移転」の形式で登記を行う。
付着する権利の消滅
・原始取得の性質上、不動産に付着していた以前の権利(抵当権等)は原則として消滅する。ただし、占有者が抵当権を認めた状態で占有を継続していた場合などはこの限りではない。
( 民法第397条 )
登記識別情報の提供
・共同申請による移転登記であるため、登記義務者Aが通知を受けた登記識別情報を提供して申請の真意を証する。
( 不動産登記法第22条 )
・あわせて、義務者の実印に係る印鑑証明書の提供を要する。
課税標準金額
・所有権の移転登記における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)を基礎とする。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・課税標準金額は、上記価格から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
登録免許税の算出方法
・登録税別表1.1(2)ハ:不動産の価額 × 20/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
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関連条文
- 民法第144条(時効の効力)
- 民法第162条(所有権の取得時効)
- 民法第397条(抵当不動産の時効取得による抵当権の消滅)
- 不動産登記法第22条(登記識別情報の提供)
- 不動産登記令第7条(登記原因証明情報の提供)
- 不動産登記令第16条(代理権限証明情報等の提供)
- 登録免許税法第10条(課税標準)