事例
表題部所有者である甲・Aがともに死亡(甲の相続人は乙、Aの相続人はB)し、甲の相続人である乙が、共有物の保存行為として共有者全員(乙およびB)のために所有権の保存を申請する場合。
申請情報
| 目的 | 所有権保存 |
|---|---|
| 所有者 | (被相続人 甲) 住所 〇〇〇 持分2分の1 乙 (被相続人 A) 住所 〇〇〇 持分2分の1 B |
| 添付情報 | ・住所証明情報(乙・Bの住民票の写し等) ・相続証明情報(甲・Aの各相続を証する戸籍謄本等) ・代理権限証明情報(申請人乙からの委任状) |
| 課税価格 | 金1,000万円 |
| 登録免許税 | 金4万円 |
備考
所有権保存登記の申請適格者
・表題部所有者
・表題部所有者の相続人・その他の一般承継人
(不動産登記法第74条1項1号)
・確定判決により自己の所有権を証明する者
(不動産登記法第74条1項2号)
・収用によって所有権を取得したもの
(不動産登記法第74条1項3号)
・区分建物の表題部所有者からの直接の譲受人
(不動産登記法第74条2項)
共有物の保存行為による申請
・共有者の一人は、他の共有者の同意なく全員のために保存登記を申請できる。これは共有者全員の利益となる共有物の保存行為に該当するためである。
( 民法第252条第5項 )
・本事例では乙が申請人となり、自己およびB(Aの相続人)のために一の申請で登記を行う。
相続人による直接の保存登記
・表題部所有者が死亡している場合、その相続人は直接自己の名義で所有権の保存を申請しなければならない。既に権利能力を喪失している亡Aを登記名義人とすることはできない。
( 不動産登記法第74条第1項第1号後段 )
所有者欄の記載方法
・相続人が名義人となる場合、各相続人の氏名の前に「(被相続人 〇〇)」と冠記し、承継関係を明示する。
( 不動産登記規則第157条 )
登記原因の記載不要
・保存登記は権利の存在を最初に公示する登記であるため、相続等の原因があっても原則として原因および日付の記載を要しない。
( 不動産登記令第7条第1項第5号ロ )
課税標準金額
・所有権の保存登記における課税標準は、不動産全体の価格(固定資産課税台帳価格)を基礎とする。
( 登録免許税法第10条第1項 )
・課税標準金額は、上記価格から1,000円未満を切り捨てた額(本事例では金1,000万円)となる。
登録免許税の算出方法
・登録税別表1.1(1):不動産の価額 × 4/1000
※本サイトでは、特に記述がない限り、不動産の価額は金1,000万円とする。
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関連条文
- 民法第252条(共有物の管理等)
- 不動産登記法第74条(所有権の保存の登記)
- 不動産登記令第7条(登記原因証明情報の提供)
- 不動産登記規則第157条(所有者の記載方法)
- 登録免許税法第10条(課税標準)